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金融機関はまず「資金使途」をチェックし、違う目的に流用されることがないかを確かめた後、次に「返済原資の確認」を行います。
「返済原資の確認」というのは、「借りたお金をちゃんと返せる根拠はあるのか?」「どこからそのお金を捻出するのか?」をチェックすることを指します。
たとえば、商品の仕入れのために受けた融資の返済原資は何でしょうか。商品を仕入れたならば、当然それを販売します。掛けで販売したならば、その売掛金、そしてその売掛債権から回収したお金が返済原資ということになります。
こう考えると、「資金使途」と「返済原資」は連動していることがわかると思います。
売上および売上債権の回収金=返済原資。それは主に次の2点です。
その「返済原資」で本当に融資の返済額(元本&利息)がまかなえるのか。その「返済原資」が本当に予定どおりに入ってくるのか。
そして、説得力のある事業計画書というのは、実はこの2点の金融機関側の不安をきっちり解消してあげられているものということになります。
前記の2点を少し言い換えてみると。理論上、返せるのか。
その理論は実現するのか。というように、しかし、いくらかの不安があります。
金融機関としてはいくらそのような事業計画を提出されたとしても、いくつか商品を販売=売上・売掛金の発生という形でより高い確率で実現されることを訴えていきます。
要は、「自分の事業は、金融機関に返済しなければいけないお金の何倍稼ぐことができるか」を示すためのものです。
こういうものを見慣れていない人にとっては、「なんだか難しそう」と思われるでしょう。
理論上、返せるのか。その理論は実現するのか。
取引先からの発注書・契約書を添付するなどして売上が確実に上がることを証明する。
ということになります。では、事業計画書の中で、どのようにその2点をアピールするのかというと。
大丈夫です。特に国民生活金融公庫が求める事業計画書であれば、減価償却や金利のことを考えずにDSCRの計算が行なえますので、これをもっと単純化することができます。
その方法については後で詳しく解説しますのでご安心ください。
今は、この計算式を使って計算した値が「1」を超えていないと話にならないということだけわかってもらえればと思います。自分が作成した事業計画書の数字を、当てはめたときに、その計算結果が「1」未満であれば、「事業計画書どおりに事が運んだとしても金融機関にお金を返せない」ということを自ら証明してしまっている状態になるのです。
最低でも「1」。通常は「1.2」以上を示しているのが理想的です。
そして、これを知っていれば、数値が1.2以上になるように逆算して、「必要な1ヵ月あたりの利益」を計算できるようになります。そのためには、できる限り取引先からの注文書や、取引先との契約書を添付するのです。
たとえ、創業前であっても、かつての人脈から「お前のところから仕入れてあげるよ」などという話ができていることも多いでしょう。そういうときには、できるだけ注文書をもらうようにしましょう。
そして、「事業計画書どおりに事が運んだとしても金融機関にお金が返せない」という、どうしようもない事業計画書を金融機関に提出しなくても済むようになります。
この数値が「1」未満になっている事業計画書を作成して、平気で金融機関に提出しているようでは、その時点で経営者として失格と見なされるのは当然のことといえます。
この数値を踏まえた事業計画書の作成方法は後に譲るとして、もう一つの重要ポイントである「その理論は実現するのか?」ということについて押さえておきましょう。
いかに数値上で理論的に返済が可能であることを示せても、そもそも予定どおりに売上を立てられなければ返済できるはずがありません。
ですので、その事業計画の実現性が高いものであることを金融機関に証明する必要が出てきます。
また、まだ注文書まではもらえない状況であれば、基本契約書(実際に取引が発生したときのために支払い条件などを先に定めるもの。実際の取引がまったく発生していない時点で作るのが一般的)だけでも交わしてもらえるように交渉しましょう。
まだ実績のない創業時融資においては、この「発注書」「契約書」を添付できるか否かで、提出する事業計画書の信用度がまったく異なりますので、最大限の努力をしましょう。
もし販売先が企業ではなく、一般消費者の場合には、こうした「発注書」「契約書」は存在しませんので、その場合には自身の業界や商品(サービス)が成長している業種(商品)であることを示す資料(マスコミ記事等)を添付しましょう。
また、新しいタイプの事業であれば、そもそも最近はそういう事業が存在していて、伸びていることを説明する資料を添付すべきです。
たとえば、特定分野のポータルサイトを運営し、そこからアフィリエイト収入(成果型の広告収入)を得るというビジネスモデルを考えているのであれば、実際にそのビジネスモデルで上場まで果たした会社などの報道資料を添付してもいいでしょう。
このように何らかの形で、提出した事業計画書中の「返済原資」がきちんと確保されることを示すのが大事です。
もちろん、どんな事業計画書であれ、あくまで「予測」にすぎないのですから不確実なのは当たり前です。しかし、その不確実なものに少しでも信想性を持たせることが重要なのです。
金融機関は「返済原資がきちんと確保されるのか?」を重視していることを肝に銘じておきましょう。
その計画が実現したときには、きちんと返済原資を確保されることが計算上裏付けられていて、計画の実現性も高い。そうした内容の事業計画書(添付書類も含めて)を作る能力のあること自体が、まず金融機関から「経営者としての資質がある」と見てもらえる要因になるのです。
経営者の資質や人間性も、融資の審査では重要な項目ですが、これらはそのほかの要素(担保・保証人・業種の経験・事業計画の内容)をクリアした後の『最終的な確認』といった意味合いが強いものです。
つまり、「そのほかの要素はOK。では経営者の資質・人間性は?」という見方です。
こうした資質審査は顔を合わせての面談が中心になります。
ただし、銀行などが行なう審査と、国民生活金融公庫などの政府系金融機関が行なう審査では、若干様子が異なります。
銀行では、経営者の資質を判断する際に、面談そのものだけでなく、地元や業界での評判までも審査の対象としてきます。銀行は多くの顧客企業との付き合いがありますので、そうした評判まで収集する能力を持っています。
また、銀行の場合は会社訪問などをして、“活気があるか?”“従業員の態度はどうか?”など、社内の雰囲気まで観察します。
経営者が日々、定時に出社しているかなども、あえて、午前9時頃を見計らって電話をしてきたりするなどして、さりげなく調べます。
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